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助成対象詳細(Details)

   

2013 国内助成 東日本大震災特定課題      
助成番号
(Grant Number)
D13-E-0036
題目
(Project Title)
石巻市内の仮設住宅支援情報紙「仮設きずな新聞」編集部メンバーによる阪神・淡路の復興ケーススタディツアー
代表者名
(Representative)
岩元 暁子
代表者所属
(Organization)
一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター
助成金額
(Grant Amount)
 1,350,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

私たちは約2年に渡り、石巻市内の仮設住宅向けに無料情報紙「仮設きずな新聞」を発行し、ボランティアの手で配布する活動を行ってきました。現在は「仮設住宅での暮らしに役立つ新聞」「ココロが元気になる新聞」というコンセプトのもと、市内で街づくりや医療・健康、心のケアなどに取り組む複数団体が協業して「仮設きずな新聞編集部」を組織し、紙面づくりに取り組んでいます(月2回発行、市内仮設全133団地、約7000戸に配布)。
 これから本格的に復興住宅への移行フェーズを迎えるにあたり、現在石巻の仮設住宅や街なかの課題―仮設住民の疲労と不安、困難を増す自治会運営、シャッター街化が進む街なか、復興住宅でのコミュニティ形成など―はますます深刻化していくと考えられます。
 こうした状況の中、私たちは神戸の経験から―もちろん失敗からも―多くを学び、今後の街づくりに生かしていく必要性を強く感じています。多岐に渡る分野で活動する団体の集まりであるという特性を生かして、より幅広く深い訪問学習を実現し、紙面を通じて「阪神・淡路の教訓」を石巻に広く発信/共有していきます。


実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

①復興まちづくりの課題と問題意識
 「仮設住宅で死にたくない。でも、新しい生活を始められる自信もない」。仮設住宅での日々の活動の中で、そういった声をよく耳にする。いつまで続くのか分からない、仮設暮らしの中での疲労。復興公営住宅に移り、新しい人間関係を築いていくことに対する不安。こうした状況の中で、以前にも増して、不眠症やうつ病、引きこもりやアルコールの問題などが見受けられるようになってきた。
 また、団地内でまとめ役となっている住民ほど自立心や経済力があり、仮設住宅を出て新しい住まいに移っていく。残される住民ではコミュニティの維持や自治会の運営が難しくなり、自治会が解散するケースや住民主催のお茶会が開かれなくなっている団地も目にすることが増えてきた。
 一方、中心市街地ではシャッター街化が進み、街なか居住の魅力低下が深刻な状況である。地権者や商店主たちは、定住人口/交流人口増加のための再開発や復興公営住宅の誘致に取り組んでいるが、今後の展望は非常に暗いと言わざるを得ない。街なかの再開発などは、震災後の神戸もさまざまな困難を経ながら取り組んできた課題だが、経済規模的により厳しい状況にある東北の石巻では、さらに困難な状況を迎えると予想される。
 こうした現状の、そして将来的な課題を踏まえ、私たちは、神戸で困難な状況を経てさらなる努力を続けてきた方々のお話を聞き、その事例や取り組みから―もちろん失敗からも―学ぶべきことを学び、今後の街づくり/地域づくりに生かしていく必要性を感じた。そして、石巻の方々にその学びのきっかけを提供すること、また私たちが学んだことを石巻の多くの人に発信/共有することこそ、外部から来た支援者である私たちの「使命」であると考える。

②訪問学習の実施概要

〇6月10日(火)  
【見学】人と防災未来センター
【語り部】長田・和田幹司さんによる語り部

〇6月11日(水)  
【講義・意見交換】阪神・淡路大震災の発災から5年間の復興プロセスを学ぶ
【見学】HAT神戸灘の浜 まちなみ見学
【講義】復興公営住宅のコミュニティや住民組織の活動
【意見交換】復興公営住宅の暮らしの変遷と現在の課題
【イベント】3・11支援集会

〇6月12日(木)  
【講義】コミュニティ支援活動の実際と課題
【見学】シルバーハウジング
【講義】復興公営住宅移行期の心のケア
【意見交換】石巻で直面している課題

〇6月13日(金)  
【見学】コレクティブハウジング
【講義】新たな住まい方の立ち上げの経緯と運営、課題
【講義・意見交換】真野地区 住民主体のまちづくり

③今後の復興まちづくりに対する応用
[1] 「仮設きずな新聞」紙面上での情報発信と提案【対象:仮設住宅入居者】
神戸の仮設住宅/復興公営住宅で起こっていた問題―自治会運営、コミュニティ形成、心のケア、医療・健康などの面で―とその解決のための取り組みを紙面で伝え、現在石巻の仮設住宅で起こっている問題を改善するための提案を行っている(全15回)。

[2] ネットワーク会議、街づくり会議等での情報共有【対象:石巻で活動する団体、地域住民】
石巻市社協主催「いしのまき支援連絡会」や開成・南境地区の仮設住宅で支援活動をしている団体で構成される「開成ネットワーク会議」、仮設住宅自治連合推進会の理事会、上釜地区町内会、中心市街地の街づくりに取り組む「コンパクトシティいしのまき・街なか創生協議会」「中央一大通りまちなみ委員会」等で、神戸での取り組みや教訓などを共有した。




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