HOME

助成対象詳細(Details)

   

2013 社会コミュニケーションプログラム Communication with Society Program      
助成番号
(Grant Number)
D13-SC-0002
題目
(Project Title)
地域を基盤とした包括的な性暴力被害者支援体制の構築に向けて ―情報発信・支援者養成・意識啓発を中心に

Constructing a Comprehensive Community-based Support System for Sexual Assault Victims: Focusing on Dispatching of Information, Training of Supporters, Enlightening and Awareness Building
代表者名
(Representative)
棟居 徳子
Tokuko Munesue
代表者所属
(Organization)
金沢大学人間社会研究域法学系
Faculty of Law, Institute of Human Sciences, Kanazawa University
助成金額
(Grant Amount)
2,000,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

 性暴力は重大な人権侵害にもかかわらず、既存の法制度の枠組みや支援体制では、被害の実態や被害者のニーズに対応した十分な支援が提供できておらず、また性暴力被害への理解が不十分なことから、被害を訴え出た被害者が二次被害を受けたり、そもそも被害を訴え出ることができなかったりする場合も多い。日本でも諸外国で展開されているような被害直後から中長期にわたる被害者のニーズに対応した包括的な支援体制の構築が求められている。
 これまで、神奈川県における包括的な地域型性暴力被害者支援体制の構築に向け、(1)性暴力の実態及び被害者のニーズの調査、(2)性暴力被害者支援に関する社会資源の調査及びリファーラルガイドブック(社会資源一覧)の発行、(3)性暴力対応医療者・アドボケイト養成プログラムの開発及び養成研修会の実施に取り組んできた。
 本企画では、研究成果をさらに発展させるとともに社会に発信していくために、(1)改定版ガイドブックの発行及びWebでの情報発信のあり方の検討、(2)養成研修会のフォローアップ及び継続的開催に向けた調整と、大学生などを対象とする「若者講座」の開催、(3)被害者支援体制の構築に向けたシンポジウムの開催に取り組む。


  Although sexual assault is a serious violation of human rights, victims cannot be provided sufficient support which is suited to their needs under the existing framework of laws and systems. As understanding of the actual conditions of sexual assault and victims is lacking, it often happens that victims suffer from secondary damage and cannot sue anybody for their damage. The creation of a comprehensive community-based support system for sexual assault victims in which all sexual assault victims can receive continuous support in their own communities is required.
  We carried out; (1) investigation on the actual condition of sexual assault and needs of sexual assault victims, (2) investigation into the social resources of support for sexual assault victims and publication of its results in the form of a referral guide book, (3) development and practice of a training program of sexual assault response health professionals and advocates. 
  This project will carry out the following research to develop and dispatch the outcome of the research mentioned above; (1) publication of referral guide books with revisions and examination of the way of dispatching the information on the Web, (2) following up with a training course and adjustment of whether it should be continuously held, and the holding of a training course for young people, like university students, (3) holding of a symposium which aims at the construction of a support system for sexual assault victims.

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

本プロジェクト「地域を基盤とした包括的な性暴力被害者支援体制の構築に向けて―情報発信・支援者養成・意識啓発を中心に」は、トヨタ財団「2011年度研究助成プログラム(共同研究1)社会的課題の解決に資する実践的な研究」に採択された「包括的な地域型性暴力被害者支援体制の構築に向けた研究―神奈川県における取り組みを題材に―」(2011年11月~2013年10月)における研究成果をさらに発展させるとともに、その成果を社会に発信していくことを目的に、2014年5月~2015年4月の間に「2013年度社会コミュニケーションプログラム」に採択され実施してきたものである。
 2011年度研究助成プログラムから今回の社会コミュニケーションプログラムに至るまで、私たちが継続して取り組んできたプロジェクトは、一貫して、「すべての性暴力被害者が、その尊厳の回復、心身のケア及び生活再建のために必要な支援を、途切れなく継続的に受けることができる、地域を基盤とした包括的な性暴力被害者体制の構築」を目的としたものである。性暴力は重大な人権侵害にもかかわらず、既存の法制度の枠組みや支援体制では、被害の実態や被害者のニーズに対応した十分な支援が提供できておらず、また性暴力被害への理解が不十分なことから、被害を訴え出た被害者が二次被害を受けたり、そもそも被害を訴え出ることができない被害者も多い。日本でも諸外国で展開されているような被害直後から中長期にわたる被害者のニーズに対応した包括的な支援体制の構築が求められている。
 そこで、2011年度研究助成プログラムの枠組みで実施したプロジェクトでは、(1)性暴力の実態及び性暴力被害者のニーズに関する調査、(2)性暴力被害者支援に関する神奈川県内の社会資源に関する調査、(3)性暴力対応医療者・アドボケイト養成プログラムの開発及び養成研修会の実施、に取り組んだ。
 具体的には、(1)について、被害当事者9名、職務上関係者9名のヒアリングを実施し、本調査の結果を報告書にまとめ、関係機関等に配布した。(2)については、2012年に県内の関係機関・団体にアンケート調査を実施するとともに、インターネットサーベイにより県内の関係機関・団体の情報収集を行い、それら調査結果をまとめ、リファーラルガイドブックを発行した。(3)については、2011年度及び2012年度にかけて「かながわ版性暴力対応医療者・アドボケイト養成研修会」のための47時間のプログラムを開発するとともに、テキストを作成し、2013年7月~10月に養成研修会を実施した。その他、2012年6月9日に、男女共同参画センター横浜にて、米国ワシントンDCからDevin Trinkley氏を招聘し、シンポジウム「かながわ版性暴力被害者支援体制をつくるために―ワシントンDCの実践から地域の課題と目標を考える―」を開催した。
以上のように、2011年度研究助成プログラムの枠組みで実施したプロジェクトは、当初の計画通り、概ね順調にそれぞれの研究調査を実施することができ、一定の成果を残すことができた。しかし一方で、次のような課題も残った。すなわち、①性暴力被害者支援機関・事業等(社会資源)に関する情報発信・共有のあり方の再検討、②医療者・アドボケイト養成研修会の本格的・継続的展開に向けた検討と医療・福祉専門職をめざす若い世代の教育、③県内外における性暴力被害者支援体制の構築に向けた具体的検討・提言と市民への啓発、である。
 そこで、2014年5月から始まった本プロジェクトでは、主に次の3点に、すなわち、(1)改定版リファーラルガイドブック(社会資源一覧)の発行及びWebでの情報発信のあり方の検討、(2)養成研修会のフォローアップ及び継続的開催に向けた調整と若者講座の開催、並びに(3)性暴力被害者支援体制の構築に向けたシンポジウムの開催、に焦点を当てて取り組んだ。


ホームページへのリンク ◆トヨタ財団WEBサイト内関連記事