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助成対象詳細(Details)

   

2014 イニシアティブ助成 Initiative Grants      
助成番号
(Grant Number)
D14-PI-0001
題目
(Project Title)
2006年英国チャリティ改革後の変容調査
An impact survey on implementation of Charities Act 2006
代表者名
(Representative)
太田 達男
Tatsuo Ohta
代表者所属
(Organization)
公益財団法人公益法人協会
The Japan Association of Charitable Organizations
助成金額
(Grant Amount)
2,000,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

英国においては、2006年に抜本的なチャリティ法の改正があり、その結果現在までの7年間に大きな変貌を遂げたといわれている。
 この時期は日本においても、第三者委員会の役割や税制と認定の関係など英国新旧制度を参考にしつつ公益法人制度改革が行われた。その移行が終了し、普及定着期に至った今日、制度改正が市民社会セクターに及ぼした影響とその変貌について英国を先行事例として改めて比較研究することは、今後の日本の制度改正や公益法人・非営利法人の在り方の検討に大いに参考になると思われる。

The aim of this project is to review our legal system and a role of charitable and non-profit organizations in Japan by studying the experiences in the UK.
 The Charities Act 2006 provided a new statutory definition of charity, based on a list of headings of charitable purposes, and re-emphasized the importance of public benefit. The Act also gave the Charity Commission a new objective of promoting awareness and understanding of the public benefit requirement, and of issuing guidance on public benefit.
 The Charities Act 2006 legislated for a new legal form of incorporation designed specifically for charities, the Charitable Incorporated Organization(C.I.O.), with powers similar to a company but without the need to register as a company. 
A new type of company called Community Interest Company(C.I.C.) was also introduced by the UK government in 2005 under the Companies Act 2004, designed for social enterprises that want to use their profits and assets for the public goods.
 It's been 7 years since the new Act came into effect in November 2006 and it seems the legal environment and nature of the society has changed from the past 7 years of their operation.
 The UK's experience is very useful and helpful for us to know the status how charity commission operate or regulate under the new Act and what kind of impact does the Charities Act 2006 and new legal forms, C.I.O. and C.I.C. have on society because Japan also had an experience on implementing Public Interest Corporation legal institutional reforms in 2008.
It is expected that all the outcomes of the study will be relevant to us when we create better P.I.C. system by advocating against policy makers in Japan.
 

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

本調査は、日本においてよりよい井営利法人制度の実現に向けた政策づくりに貢献する目的で、チャリティ制度改正以降のチャリティ、公益法人並びにコミュニティ利益会社の動向を探ると同時に、制度改革が市民社会セクターに及ぼした影響やその変貌などについてである。
本プロジェクトの構成メンバーとしては、多面的な視点から英国におけるチャリティの情勢の分析が可能となるよう様々な分野から代表的な学識経験者を6名選定し、内部委員の2名を加えた8名体制で実施した。具体的には、英国チャリティの制度研究のレビューや現在の情勢について議論する場として、月に1度研究会を設定し、それを計10回開催した。その間に、8月31日から10日間にわたり英国におけるチャリティ制度改革以降の状況を実査するために英国へ調査団を派遣した。
以上の体制で実施した調査プロジェクトから、日英間の制度面で異なる点、そこから学べる英国の制度などについて明らかにすることができた。とくに政策づくりに市民社会セクターを重要なパートナーとして位置づけている点、公益活動のために新たな法人類型が創設されている点、日本の公益関係法がイギリスのチャリティ認定の基準と構造が類似していることから、チャリティ法上の議論が参考となる点、英国に独立苦情審査人制度やチャヅティ関係を管轄する審判所が存在する点、政治活動とチャリティ目的については現行規制の基準が示されているガイドラインが存在する点など参考になる事例が数多く存在する。次の事項も将来の日本の制度改革と絡んで興味深いものである。
(1)公益増進性の要件については法律で定められており、その意味で民主的であるが、一方で硬直化することに繋がる。相反する二つの考慮要素間のバランスをとる解決としては、権限をある程度委員会に与えた上で、委員会の独立性を高め、さらに、委員会のガイドライン・運用を国会や審判所等の機関及び市民セクターが外部からモニターすることであるが、この意味で日本の公益認定法はチャリティ法の建て付けと類似はしている。この建て付けは、官があるところで線を引くことを許容しつつそれをどのようにコントロールするかという点で共通の問題意識を持つことに帰結する。このようなコントロールの方法として、運用にあたっての英国の経験が公益認定法の運用に参考になるところである。
(2)公益を統一的に把握して、これをチャリティ委員会が管轄し、規制の根拠法と基準を横断的にしていくという英国の現実的な手法は有益である。日本において、市民セクターを一つのセクターと見ることができない原因の一つに、準拠法と所管が異なる法人類型が多数あることが指摘されている。市民セクターの醸成のためにも、かかる英国の手法は参考になろう。
(3)社会的企業の育成が政府により政策化されたことを前提として、その器としての法人制度として、CICの制度が整備されている。日本において省庁縦割りの政策はあっても、統一的な社会的企業政策は存在しない。したがって、法人制度も縦割りで存在するほかないが、CICのような制度を日本においても構築していくためには、政府が主導する社会的企業政策を求めて行く必要があるであろう。以上を踏まえて、それらをいかにして日本の制度に反映させていくかが今後の課題となろう。
 

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