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助成対象詳細(Details)

   

2015 2015年度 国内助成プログラム 東日本大震災特定課題      
助成番号
(Grant Number)
D15-E-0003
題目
(Project Title)
住民が居心地の良いコミュニティを自分たちの手でつくることを目指してー 釜石市復興公営住宅の自治会運営支援ー
代表者名
(Representative)
伊瀬 聖子
代表者所属
(Organization)
特定非営利活動法人カリタス釜石
助成金額
(Grant Amount)
 8,500,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

仮設から復興公営住宅へ転居し、慣れない集合住宅での生活が始まる中で自治会組織が設立また設立準備が進みつつある。戸建住宅が一般的だった震災前の地域では自治組織を円滑に動かす共同体意識・地縁関係があったが、復興公営住宅ではそれらは存在しないかごく薄いものになっている。自治会組織は設立されても、集合住宅での運営方法を知らぬまま放置されている現状があり、行政は効果的な機能のさせ方を見いだせないでいる。カリタス釜石では協働してきた釜石市はじめ支援団体と連携し、復興公営住宅の住民自身が自治会活動の必要性と課題内容、その解決方法決定と実行へ向けて自立した歩みができるように支援する。それにより植栽等の環境美化、ゴミ捨てや駐車場利用のルール策定、地域の人間関係作りとしてのお祭りなどを、自分たちの力で出来ることを目指す。そして企画実施で得られた成果を釜石市はもちろん、宮古市、大槌町、大船渡市、陸前高田市や岩手県、復興庁に情報発信し今後の支援のモデル事例としていただく。

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

企画当初は山間部に建つ平田災害公営住宅と、カリタス釜石事務所がある釜石東部の大町1号と天神町の両復興住宅を対象に補助金投入を予定していたが、東部地区は入居時期が早くても6月以降となることから時期尚早と判断し、昨年自治会設立支援に関わった上中島Ⅱ期復興住宅と、1区画を挟んで隣接する上中島Ⅰ期復興住宅を対象とした。平田災害公営住宅は予定通りの実施である。なお、東部地区の復興住宅に対しては、行政主導の「東部地区自治会設立支援プロジェクトチーム」の一員として入居前交流会でのそば打ちイベント開催、ファシリテーターとして住民の要望や不安などの意見聴取を行うなど、自治会設立支援に参加した。入居後の地域定着・交流促進のための料理教室や美容教室、工作教室、映画上映会などは、補助金対象の復興住宅であるなしに関わらず開催した。これらの企画には復興住宅に転居後初参加という住民が徐々に増加、地域住民との良好な交流機会を提供できたという認識である。
補助金による自治会活動支援では、実施者は常に現場に足を運び、直接住民の声を聴くことを心掛けた。総括としては自治会長(3ヶ所いずれも男性)が住民や役員とどこまで良質なコミュニケーションが取れたかが結果に表れたと考える。積極的な住民参加という点で成功したのは上中Ⅰ期の自治会活動である。他2ヶ所に比べて小規模であること(54戸。他2ヶ所は100戸を超える)、入居から1年以上を経過していたことも理由であろうが、一番の理由はご夫婦で活動に参加されたことと考える。これが女性住民の参加に繋がり、中庭の植栽活動や集会所が無いという不利を超えて屋外でサロン開催を継続するなど、住民主体の動きが活性化した。対して上中Ⅱ期は、156戸の大規模住宅かつ直前3月に設立したばかりの自治会であり、企画を出しても住民がついて来ないのではという不安がみられた。実施者は相談役として自治会長と面談の機会を持ち、成功に近づくための助言を行いながら、企画として挙げられた遠足や芋煮会などの実施を支援した。その結果、年末には自主的に忘年会を開催し内容も自治会主体で考えるに至った。「いつまでも頼っていられない」という声が聞かれたのは嬉しい限りである。また、実施者との信頼関係が出来上がるにつれ、こちらも自治会長の妻が情報収集など陰ながら支えとなっていることも分かってきた。上中Ⅰ期同様、地域コミュニティ構築には女性の情報ネットワーク能力が大きく役立つものと考える。平田災害公営住宅は、住民を一つにするために祭りを行いたい、という自治会の明確な希望があり、開催用の機材購入に補助金が使われた。祭りはこれまではボランティアや民間団体が外部からイベント企画として持ち込んでいたものだが、これによって住民自身で継続可能になった。与えてもらうだけではない、住民のもの・地域のものとして定着していくことを期待する。


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