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助成対象詳細(Details)

   

2015 研究助成 Research Grant Program  /  (A)共同研究助成  (A) Joint Research Grants
助成番号
(Grant Number)
D15-R-0213
題目
(Project Title)
戦争の記憶と歴史教育をめぐる国際比較研究―アジア太平洋地域における知的共同体の形成及びその担い手の育成に向けて―
A Comprehensive Study of War Memory and History Education: The roles of historians in the confidence building and training of global talents in the Asia Pacific Region
代表者名
(Representative)
馬  暁華
Xiaohua Ma
代表者所属
(Organization)
大阪教育大学教育学部
Department of Arts and Sciences, Osaka Kyoiku University
助成金額
(Grant Amount)
 4,000,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

アジア太平洋地域において知的共同体は成立し得るか。その成立のために有利な条件は何か。また、その前に立ちはだかる阻害要因は何があるか。その阻害要因はアジア太平洋地域における和解の構築及びグローバル人材の育成にどのような影響を与えてきたのか。この大きな問いに対して、本研究は、記憶の相克がアジア太平洋地域における知的共同体の形成及びグローバルな人材育成体制の構築をどれだけ制約し、かつ影響を与えてきたかを、比較歴史教育学の視点から解明する。具体的に第2次世界大戦以後、公的記憶の創出・伝達・増幅の過程で大衆メディアが国民意識や歴史認識の形成に果たした役割を明らかにする。その上で、グローバルな歴史研究者ネットワークを構築し、歴史の和解を実現できる新たな方法を探り、21世紀に活躍できるグローバル人材を育成することを目的としている。

How has history played a role in the postwar international relations in the Asia Pacific region? How has history education hindered the confidence building of a new intellectual community? This project aims to explore the role of historical memory in the process of confidence building and reconciliation in the Asia Pacific region. It will focus on the issue of how dispute over history, through media and war museums in China, Japan, South Korea, and the United States, has intensified and aggravated the mutual mistrust and antagonism among the people of the countries in the region. By comparing different historical memories and education systems in different countries, we can see how a nation's history education affects the development of the global talents. This project will also attempt to find a new strategy for a history reform in order to educate younger generations to play active roles in the global world.

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

トヨタ財団研究助成実施報告書の概要

研究代表者:馬暁華(大阪教育大学・准教授)
研究課題名:戦争の記憶と歴史教育をめぐる国際比較研究―アジア太平洋地域における知的
共同体の形成及びその担い手の育成に向けて―
研究期間:2016年5月ー2018年4月

 アジア太平洋地域において知的共同体は成立し得るか。その成立のために有利な条件は何か。また、その前に立ちはだかる阻害要因は何があるか。その阻害要因はアジア太平洋地域における和解およびグローバル人材の育成にどのような影響を与えてきたのか。
 この大きな問いに対して、本研究は、記憶の相克がアジア太平洋地域における知的共同体の形成をどれだけ制約し、かつ影響を与えてきたかを、比較歴史社会学の視点から明らかにする。具体的に第2次世界大戦後、公的記憶の創出・伝達・増幅の過程で大衆メディアが国民意識の形成に果たした役割を明らかにする。その上で、グローバルな歴史研究者ネットワークを構築し、歴史の和解を実現できる新たな方法を探り、21世紀に活躍できるグローバル人材を育成することを目的としている。
 こうした問題意識を共有しつつ、各メンバーが各々個別のテーマを追求し、調査・研究を行うとともに、研究会・公開講演会・国際シンポジウムで研究の進捗状況を報告し、意見を交換した。また欧米およびアジアの研究者を招聘し、平和・戦争・歴史教育における最新の研究動向と成果を報告していただくことにより、各メンバーの専門外の知識を吸収し、各々の研究の参考とした。研究の焦点は、全体としてアジアの「戦争」、「和解」、「歴史」、「共存」に集中した。基礎的考察として、戦争記憶・和解・歴史教育・共存共栄の関係についての先行研究の総括と研究動向の分析および新しい資料の発掘などに集中し、研究活動を進めてきた。これにより、研究グループの全員は戦争記憶・和解・歴史教育・共存共栄に関する基礎知識を共有し、研究方法のコンセンサスを確立できた。最終年度の研究の重点は東アジア地域から太平洋、ヨーロッパなどの地域にも拡大し、政治学・歴史学・社会学・教育学といった学問分野からの紛争解決・和解構築へのアプローチを統一的課題として重点的に進めて行った。
 本研究助成に関連する主な研究成果については、国際シンポジウム資料集『和解への道:日中戦争の再検討』(2016年)を公刊し、また英語の論文集Seeking Common Ground: Challenges and Opportunities in the Asia-Pacific、及びChina, Japan, and the United States in the Globalized World(2018年)を刊行した。今後は、和解に向けた人材育成と歴史教育の課題につき、貴基金からの助成によって得た資料に基づいて研究をさらに前進させる予定である。研究の助成に際し公益財団法人トヨタ財団ならびに関係者に記して感謝する。


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