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助成対象詳細(Details)

   

2015 研究助成 Research Grant Program  /  (A)共同研究助成  (A) Joint Research Grants
助成番号
(Grant Number)
D15-R-0234
題目
(Project Title)
タイランドおよび日本における高齢者が健康に生きるための美容院・理容院を用いた情報交換プラットフォーム開発のための要素技術の検討
International Collaborative Investigation of Underlying Technology to Develop Information Exchange Platform with Hair Dresser/Barber for Successful Aging in Thailand and Japan
代表者名
(Representative)
眞壁 幸子
Sachiko Makabe
代表者所属
(Organization)
秋田大学大学院医学系研究科
Graduate School of Medicine and Faculty of Medicine, Akita University
助成金額
(Grant Amount)
 6,600,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

2025年に高齢化率が30.3%になる日本において、高齢者がいかに健康に生きられるかが重要である。そこで、日本とタイランドの共同にて、美・理容院とケアの融合を検討する。美・理容院は地域に多く点在し、人々が定期的に通う場所で、違和感なく身体に触れられる職業である。この領域にケアの介入や定期的な健康チェックができれば、病気を未然に防ぎ健康寿命を延伸し、将来的に病気になる者が減少し、ひいては病院の負担を軽減できるのではと考えた。はじめに、両国の美・理容院の現地視察や、ニーズ把握のためのアンケート調査により現状を把握する。次いで、本研究に協力してくれる美・理容院とケアとの融合に関して具体的にどのような部分でケアとの融合、美・理容院としてはどこまでなら取り入れられるかを検討する。そして、介入(マッサージ、健康チェック、生活向上へのアドバイス)を行い、ストレス度、肩こり度、生活の質などを評価して、美・理容院とケアの融合の最適化を検証する。最後に、どのようなテクノロジーがサポートできるかの情報交換プラットフォーム開発のための要素技術を検討する。タイランドと行うことで両国に活かせるケアを提示できる。

In 2025, the ratio of the older people becomes 30.3% in Japan. To tackle this issue, successful aging is essential matter. This collaborative study between Japan and Thailand, investigates whether any health care aspects could be fused into hair dresser/barber environment. Hair dresser/barber is scattered in community. This place is for people visiting regularly and to be touched comfortably. If any health care intervention infuses into this area, it is possible to prevent diseases and achieve successful aging. Demand on hospital is also reduced by reducing the number of patients due to this preventive action. Firstly, we understand the current status of hair dresser/barber in both countries by visiting each countries and questionnaire survey. Then, we have meetings with a few hair dresser/barber which participate for our study, to discuss about what kind of health care aspects could be used. Based on this discussion, a health care intervention (massage, health check, and counseling on daily life) is performed at hair dresser/barber. Pre-post the intervention, stress level, shoulder muscles hardness, and quality of life are evaluated to optimize the intervention. Lastly, we review what kind of technology and underling technology to develop information exchange platform.

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

1)背景と目的
 理・美容院は地域に多く点在し、人々が定期的に足を運ぶ場所である。また違和感を覚えることなく身体に触れられる職業である。この領域に医療保健が融合し、ケアの介入や定期的な健康チェックができれば、病気を未然に防ぎ健康寿命を延伸し、将来的に病気になる者が減少しひいては病院の負担も減るのではないかと考えた。また、テクノロジーの利用により課題解決しやすくなるのではとも考えた。さらに、地域資源の活用がうまくでき高齢社会という共通課題をもっているタイランドと国際共同研究を行うことで、日本が失ってしまった、かつ、日本がこれから必要としている部分を学べると考えた。よって、本プロジェクトの目的を、「タイランドおよび日本における理・美容院での健康に関する意識と現状を把握し、テクノロジーを活用しつつ実際に健康チェックや健康指導に効果があるかを検証する」とした。

2)方法・結果
 第1段階として、タイランドと日本で、合計200院を対象に、アンケート調査を行った。「健康に対する意識」「健康に関連してすでに提供していること」「保健医療との共同の可能性」について調査した。結果として、特に日本において、健康に対する意識がとても高い理・美容院が存在し、すでに「健康に関する悩みを聞く」「リラクゼーションの提供」「頭皮・頭髪からの健康チェック」などを行っていた。保健医療との共同の可能性もあるという認識も得られた。
 第2段階として、日本の合計5院において、客(50名程度)を対象に、フレイル(身体の弱さ)などを改善する取り組みを行った。フレイルなどの評価には電子化された媒体を開発し活用した。その結果、院の責任者としては信頼のある情報と評価方法を提供できることへの満足度が高く、客としては自身のフレイルの状態に興味が高く、実際年齢に関係なくフレイルの状態である者がいることもわかった。テクノロジーの活用は評価の結果を迅速にフィードバックできるという利点がある一方で、高齢者の端末利用での課題もあることが明らかになった。
 その他として、①両国の高齢者や理・美容院の現状に関する現地調査、②両国の研究者交流、③両国の理・美容師交流、④両国の高齢者交流、⑤両国の文化理解を行った。その結果、高齢になってどう生きるか、理・美容師の職業に対する誇り、アジア国として共通する点(高齢者を尊敬し大切にする)、両国の強み(タイランドは地域資源の活用、日本は高齢でも生きられる環境)が理解できた。

3)成果
 本プロジェクト期間中に得た成果は、①学会発表2件(国内全国と海外国際学会)、②県政への発信2件(健康づくり人材の多様な働き方研究事業と科学技術振興事業)、③メディア関連2件(ニュース報道とラジオ紹介)、④国際共同ワークショップ4件(自大学にて2件、タイランドにて2件)であった。


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