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助成対象詳細(Details)

   

2015 研究助成 Research Grant Program  /  (A)共同研究助成  (A) Joint Research Grants
助成番号
(Grant Number)
D15-R-0369
題目
(Project Title)
現代日本における周縁労働市場の再編を移動する者たちの視点から理解する―新しい支援スキームの構築のために―
Understanding the Reorganisation of the Marginalised Labour Market in Contemporary Japan from Migrants' Perspectives: Towards building new support systems
代表者名
(Representative)
崔  博憲
Hironori Sai
代表者所属
(Organization)
広島国際学院大学情報文化学部
Faculty of Information Design and Sociology, Hiroshima Kokusai Gakuin University
助成金額
(Grant Amount)
 4,600,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

少子高齢化やグローバル化により国内労働力不足が深刻化する現在、日本政府は国外から安価で取り換えの利く労働力の受け入れを促進するための法制度の改正を進めている。だが、周縁労働市場が再編されることで移住労働者の社会的・法的地位がこれまで以上に脆弱化することが懸念されている。
 本研究は、移住労働者の送り出し社会に精通した地域研究者・人類学者・社会学者と受け入れ側社会で移住労働者支援に携わるメンバーの協働によって、実証研究のみならず移民政策や支援の現場に貢献しうる移動する者たちの視点を包含した研究—実践スキームの新たな構築を目的とする。具体的には、外国人技能実習生、セックスワーカー、日系人、アフリカ系労働者といった近年存在感を増しつつある移住労働者を対象に聞き取りや参与観察を行い、①彼/彼女らの母国での生活や日本での就労実態②各対象に対する支援の現状と課題を明らかにする。
 国内の移住者コミュニティだけでなく移住労働者自身の視点と送り出し社会からのまなざしを重視する本研究の遂行にあたっては、研究や議論の枠組みを日本国内に限定しない形で、研究・政策・支援を架橋する新たな視座の提示を目指す。

The Japanese government is currently amending the legislation in order to promote immigration for economical and dispensable labour amidst the deepening labour shortage due to population decline and the effects of globalisation. However, as the labour market is being reorganised, there are growing concerns that the socio-legal status of immigrant workers in Japan is becoming more vulnerable.
    This research aims to build systems of "research/practice based on migrants' perspectives" which can not only contribute to empirical research but assist those who provide practical support to immigrants and who design migration policy. To accomplish this aim, researchers with in-depth knowledge of societies that send migrants abroad, from diverse disciplines such as area studies, anthropology and sociology, and practitioners with experience of supporting migrants in receiving societies are collaborating in the research team. More concretely, our plan is to conduct participatory observation of migrants who are recently exerting stronger presence such as foreign technical intern trainees, sex workers, immigrants of Japanese descent and immigrants of African origin, to gain clear understanding of two main spheres: firstly, the reality of migrants' lives in their societies of origin and their working conditions in Japan; and secondly, the situations and challenges faced by each group's current support systems.
    In the course of this research, we will give particular weight not only to Japanese migrant communities but also to the perspectives of migrants themselves and the "gaze" of sending societies towards migrants so as to present a new standpoint which can bridge between research, policy making and support activities without restricting the frame of research and dialogue to within Japan's borders.

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

本研究プロジェクトは、現代日本において急速に増加する移住労働者の実態を当事者やその出身社会の視座を重視しつつ明らかにすること、移住労働者やその家族たちが遭遇する労働問題や生活にかかわる困難の解決や是正に貢献しうる研究‐実践を架橋するスキームや関係を構築することを目的としたものである。
具体的には日本に移住労働者を送り出す国の社会状況に精通した研究者や日本での移住労働者支援に携わる実務家らが、技能実習生、日系人とその家族、セックスワーカー、アフリカ人労働者など、近年、日本の周縁労働市場においてそのプレゼンスを高めている外国人を対象に国内および送り出し国での調査を実施し、また研究者や当事者、支援者などを招聘したワークショップ・シンポジウムや実務家らとの交流の機会を通じて移住労働の実態の把握や支援活動の課題などに向き合った。助成期間中に実施した研究にかかわる主な活動は以下のとおりである。
■調査研究1
・技能実習生(ベトナム、フィリピン、タイ、ラオス出身の技能実習生の受け入れや送り出しの実態調査)
・日系人とその家族(日系人の再増加や定住指向者による就農の実態およびペルーやパラグアイにおける日系人社会の動向調査)
・セックスワーカー(関西圏でセックスワークに従事する中国人女性の実態調査)
・アフリカ人労働者(在日ナイジェリアやカメル―ン出身者の労働や在留の実態調査)
・移住労働者の遭遇する問題と支援(外国人の労働問題の応対するマイグラント研究会の相談内容分析および移住労働者支援に取り組むコミュニティユニオンの実態調査)
■調査研究2
・ベトナム・エクスカーション(2018年3月23日~26日:ハノイ人文社会科学院の研究者らとの研究交流、元技能実習生やその家族、送り出し機関への合同聞き取り調査)
■ワークショップ、シンポジウム
・2017年2月5日(日)
ワークショップ「拡大する外国人労働者の受け入れ―ケア労働を中心に―」
招聘講師:安里和晃(京都大学)
早崎直美(RINK)
・2018年4月22日(日)
シンポジウム「周縁労働の拡大・再編と外国人労働者―技能実習生・日系人とその家族・支援の実相―」
招聘講師:旗手明(自由人権協会)
リリアン テルミ ハタノ(近畿大学)
     甄凱(外国人労働者救済支援センター)
■研究と実践の架橋
1.マイグラント研究会
 2017年4月~10月(全6回):本研究メンバーによるマイグラント研究会(移住労働問題に取り組む弁護士や研究者、労働組合、NPOらがメンバー)での情報提供および研究交流
2.龍谷大学公開講座
 2017年11月~12月(全4回):龍谷大学公開講座「東南アジアの人びとの移動と労働 -   
タイ、フィリピン、ベトナムの事例から」を担当
■ベトナム人技能実習生への情報提供ウェブサイト「コンチャウ・ネット」の開設・運営




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