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助成対象詳細(Details)

   

2015 研究助成 Research Grant Program  /  (A)共同研究助成  (A) Joint Research Grants
助成番号
(Grant Number)
D15-R-0643
題目
(Project Title)
歴史研究者と写真家の協同による自律型地域社会の形成に向けた三陸沿岸集落アーカイブの構築
Construction of the Sanriku Coast Village Archive Towards the Formation of Autonomous Communities by the Cooperative of History Researchers and a Photographer
代表者名
(Representative)
岡村健太郎
Kentaro Okamura
代表者所属
(Organization)
東京大学生産技術研究所
Institute of Industrial Science, The University of Tokyo
助成金額
(Grant Amount)
 3,000,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

被災地ではこれから本格的な復興を迎える一方で、集落の過去と未来を100年スパンで捉えようとする研究や活動がないため、集落における震災前の固有の文化・歴史、震災後の復興過程における変容を未来に継承する仕組みが存在しないことが課題となっている。
 そこで本研究では、歴史研究者と写真家の協同により、自律型地域社会の形成に向け、100年スパンで集落の過去と未来を記録し継承するための三陸沿岸集落の包括的なアーカイブを構築する。具体的には、昭和三陸津波後に高所移転を行った38の集落を対象とし、昭和三陸津波以降の三陸沿岸集落の変容を文献調査や実地調査により歴史研究者が明らかにするとともに、現在進行形の集落の復興過程を写真家山岸剛が撮影する。歴史研究者による研究成果に基づき、写真家によるの写真の歴史的な意味づけを行った上で、それら研究成果をコンテンツとした展示会を被災地にて開催し、地域の歴史や現在進行形の復興の歩みをアーカイブとして記録・管理・更新できる仕組みを考案する。さらに、それらの成果を小冊子およびWEBサイトにて公開する。

    Sanriku coast of tsunami-affected settlements now are trying to fulfill a full-scale reconstruction. But, there is no mechanism to inherit the transformation to the future in a unique culture and history and reconstruction process after the earthquake. 
    In this study, by the cooperation of history researchers and photographers, to build a comprehensive archive of the Sanriku coast village in order to record the past and the future inheritance of settlements in the 100-year span. Specifically, targeted the 38 settlements that made the altitude transfer after Showa Sanriku tsunami, history researchers reveal the transformation of the Sanriku coast village of later Showa Sanriku Tsunami by the literature studies and fieldwork. And photographer Takeshi Yamagishi shoot the reconstruction process of the ongoing settlements. Based on the research results by the historical researcher, we add the historic meaning of the photo by photographer. These research results are shown in the exhibition to be held at the local, to devise a mechanism that can record, manage and update the history of the the region as an archive. In addition, to publish the results in the booklet and WEB site.

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

D15-R-0643代表
東京大学生産技術研究所助教
岡村健太郎

<プロジェクトの概要>
津波災害は一定の間隔をあけて繰り返し発生する上、堤防の建設や居住地の選定などある津波災害後の復興のあり方が次の津波災害時における被害や復興の方向性を少なからず規定する側面がある。それゆえ、被災集落の復興を考える際には歴史的視点をもって集落の変容を読み解くことが必要不可欠である。
ところが、東日本大震災は被災規模があまりに大きく、被災住民はもちろん外部から支援する研究者等も次の災害もしくは次の次の災害に向けて復興過程を逐一記録し継承していくほどの余裕を有していない。このように、集落の過去と未来をロングスパンで捉えようとする研究や活動がないため、集落における震災前の固有の文化・歴史、震災後の復興過程における変容を未来に継承する仕組みが存在しないことは大きな課題である。
そこで本プロジェクトでは、歴史研究者が昭和三陸津波後の集落の変容過程の分析および、写真家による被災地の現状の記録を実施した。さらに、地域が自立した社会を構築するための一助として、本プロジェクトの成果物を地域に還元する手法を模索した。

<成果物>
1.映画/DVD 動画「津波と綾里」(https://youtu.be/GuU58R1ibOk)
   本プロジェクトの主要な対象地の一つである大船渡市綾里地区を題材とし、古地図や写真、動画、ドローンによる空撮動画等を用い、同地区における過去の津波災害の歴史および現在の様子を映像作品として仕立てた。作成した映像作品はYouTubeにアップロードしたほか、綾里地区の方々にはDVDにして配布した。

2.書籍/冊子 『津波と村  三陸・綾里の歴史・復興・住まい』(鹿島出版会、2019年2月出版予定、文部科学省科研費プロジェクトとの協同)
   本プロジェクトの主要な対象地の一つである大船渡市綾里地区について、昭和三陸津波および東日本大震災後の復興について、同地区のお祭りや産業、住まい、歴史などと合わせて紹介する書籍を作成中である。科研費プロジェクトとの協同であり、本プロジェクトメンバーの岡村、石榑がそれぞれ部分的に執筆し、同じくメンバーの山岸が撮影した写真を使用する予定である。

3.展覧会「津波と綾里博物館展」(会期:2016年9月12日(月)~18日(日)、場所:大船渡市三陸町綾里) 
   他の研究グループと合同で、2016年9月12日から18日の日程で、綾里地区港集落の復興地にある民家を会場として、これまでの研究成果をパネル化したものや模型、映像を使った展示を行った。また、会期中の9月17日には、「綾里地区研究報告会」と題し、これまでの研究内容や収集した地図・写真等について、住民に対し報告した。地域住民の関心も高く、その他周辺地域や遠方からの参加者もあるなど、盛況を博した。


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