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助成対象詳細(Details)

   

2016 研究助成 Research Grant Program  /  (A)共同研究助成  
助成番号
(Grant Number)
D16-R-0751
題目
(Project Title)
自助グループにおける哲学的対話の効果に関する国際比較研究
 
International Comparative Study on the Effect of Philosophical Dialogue in Self-help Groups
代表者名
(Representative)
横山 泰三
Taizo Yokoyama
代表者所属
(Organization)
京都大学大学院総合生存学館
Graduate School of Advanced Integrated Studies in Human Survivability, Kyoto University
助成金額
(Grant Amount)
 2,800,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

    自助グループとは貧困、疾病や障害のほか、セクシャルマイノリティなど社会生活上で孤立し何らかの課題を抱える人々が自発的に集い、自主的に継続的な対話型グループ活動を行う社会組織であり、社会福祉学、開発経済学、国際協力/開発学など多様な分野でその直接的効果、持続可能性、社会的課題への遡及力などが注目されている。しかし対象科学的研究によって各研究分野間で研究が細分化されており、文化的背景を踏まえた総合的比較研究がこれまで十分に行われていない。本研究では先進国・途上国を問わない異なる領域の自助グループを対象に共通の調査観点を用いて比較調査するとともに、グループ内の対話と哲学教育との関係性を明確化する。調査方法には調査対象となる自助グループ自ら参加する合同ワークショップを採用することで各国自助団体の相互交流を築き今後の国際的・学際的比較研究の祖形を築くほか国際開発機関などに対し自助グループ支援の標準化を提言することを目指す。

    Self-help group (SHG) approach can be objected as a spontaneous civil initiative leading to the formation of groups of people with common problems and challenges, such as poverty, gender-inequality, discrimination of minorities, health problems, etc… SHG has various advantages originating from independent autonomy, efficient identification of issues and solutions. The approach facilitates an identification of hidden issues and the solution of the problems.
    The conventional scientific research, however, mostly based on an observation from narrowed defined perspective of each discipline, has been missing the overall structure of SHG. Being well aware of this problem, the project will take an integrated approach toward the inter-disciplinary study in trans-cultural context. This project will conduct an international qualitative/ comparative research and hold a conferecen to finalize the findings on the cases of following countries; U.S, German, Cambodia, Srilanka, and Japan, by especially focusing on the relation with a philodophical dialgue among SHG members and its function. The project invites participants from civil society (NPO, coomunity-based organization, etc...) and incorporate an international mutual learning/ study. We also examine its effect and function on the participants.

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

1.プロジェクトの概要
 本研究は従来の自助グループ(以下、SHG)研究の細分化の課題を克服して、SHG開発形成の標準化を目指し、世界7か国(アメリカ・ベルギー・ポーランド・スリランカ・カンボジア・日本・バングラデシュ)の異文化・異分野を横断してSHGの参加を募り行った、これまでに類をみない規模の参加型国際比較調査研究である。その研究方法の独自性は、SHGの参加者・市民が中心となって問題提起を行い、話し合われた内容について議論を重ねながら相互に見解を深め合い実践する「メタ現場」の生成にある。この過程で、SHGに参加する市民の実践(体験)知とアカデミズムの研究者が有する専門知の融合した共創知(co-produced knowledge)として研究成果を生み出した。
 研究は大きく2つのフェーズ;6か国のSHG参加者・関係者及び研究者が参加型調査を行い、一部は相互のフィールドを訪問しながら議論を重ね、普遍的なSHGの対話の形態とその意義を発見し、その内容をカンボジア省庁・国際機関を招待して発表したカンファレンスの開催に至る第1フェーズ、そして発見・生成されたモデルを踏まえ独自の対話型モジュールを開発し、国際機関(ILO)の提示するコミュニティ主導型エンタープライズ開発(C-BED)プログラムと融合させた対話型教育実践(アクションリサーチ)をバングラデシュ・日本で行った第二フェーズである。
 結果、(1)三種(パトス・ロゴス・エトス)の対話形態が哲学的対話/思考を通じて一般性を高めるに応じ、論理(文化的客観性)を形成していくことを示した標準化モデルを生成し、それを踏まえた(2)対話型プログラムC-BED tealの独自開発を行った二点に集約される。本共同研究を契機として国際的なSHGのネットワークが形成された他、C-BED tealの実践を通じて、カンボジア、バングラデシュ、日本で各一団体計三団体の自助グループが誕生した。

2. 成果物(研究結果)
論文: “Seeking for ‘Self-Help’: Cross Cultural Dialogue with Sarvodaya Sri Lanka and Salvation Centre Cambodia” (2017)
内容:研究内容の深まりに大きく貢献したスリランカNGOのサルヴォダヤと、これを訪問したカンボジアNGOサルベーション・センター・カンボジアの仏教僧間の対話を紹介し、その議論を考察した原著論文が国際ジャーナルから公刊された
冊子:” Self-Help Group Formation Guideline -Unlocking Potential of Community-Based Enterprise Development and Toujisya Research Method-(2018)”
内容:上述プロジェクト概要で紹介したSHG形成ガイドライン。主に国際機関、各国の福祉援助機関を対象に制作した。

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