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助成対象詳細

Details

2017 国内助成 [しらべる助成]     

鞆・暮らしと町並みの研究 ―自分たちの手で後世につなげる町並み保存

企画書・概要

Abstract of Project Proposal

広島県福山市の瀬戸内海に突き出た沼隈半島南端に位置する「鞆の浦」は、2017年10月に「港町」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。重伝建地区内の建物は、寺や商家、蔵など町内ごとに特色があり、それぞれの特色にあわせた保存活動に取り組んでいく必要がある。
 しかしながら、市の教育委員会が定めた修理・修景基準では保存地区全体を共通の基準でまとめており、町内ごとの特色が配慮されていない。また、文化財修復の経験がない市内の業者等により、本来鞆の浦になかったものがつくられ、新建材等を利用したまったく新しい建物へと作りかえられている状況がある。地元住民も、業者の「補助金で家のリフォームができる」という説明を受け、重伝建制度の理解が十分にないまま修理・修景事業が行われている。このように重伝建制度を正しく理解しないまま行政・建設業者・住民らにより、「町並み保存」がスタートしている状況にある。
 本プロジェクトでは、住民自らが主導して「町並み保存」活動を実践できるようになることを目指し、外部の専門家等を招き、制度の学習や建物の保存方法、利活用について調査・勉強会を行う。

実施報告書・概要

Summary of Final Report

【取り組んだ課題】

広島県福山市の瀬戸内海に突き出た沼隈半島南端に位置する「鞆の浦」は、2017年10月に「港町」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。重伝建地区内の建物は、寺や商家、蔵など町内ごとに特色があり、それぞれの特色にあわせた保存活動に取り組んでいく必要がある。しかしながら、市の教育委員会が定めた修理・修景基準では保存地区全体を共通の基準でまとめており、町内ごとの特色が配慮されていない。また、文化財修復の経験がない市内の業者等により、本来鞆の浦になかったものがつくられ、新建材等を利用したまったく新しい建物へと作りかえられている状況がある。地元住民も、業者の「補助金で家のリフォームができる」という説明を受け、重伝建制度の理解が十分にないまま修理・修景事業が行われている。このように重伝建制度を正しく理解しないまま行政・建設業者・住民らにより、「町並み保存」がスタートしている状況にある。


【実施内容】

本プロジェクトでは、住民自らが主導して「町並み保存」活動を実践できるようになることを目指し、外部の専門家等を招き、制度の学習や建物の保存方法、利活用について調査・勉強会を行いました。具体的には、鞆の浦における空き家の実態を把握すること、それらの空き家をどのようにまちづくりに活かしていくかという調査に加え、空き家の総量や所有者の活用意向と物件状態や築年数などの関わりを把握し、今後の空き家活用の際にどのような仕組み作りが必要かを考察しました。

調査の実施にあたっては、目視によって空き家と推定される物件(以下、推定空き家)について、利用実態や、低未利用化の要因などを探るため、推定空き家の登記簿を基に、所有者に対して「まちの賑わいと建物利用に関するアンケート」を作成し送付しました。また、アンケート回収率の向上及び、アンケート内容に即したさらなるヒアリングを行うことを目的として、推定空き家の物件住所、および所有者住所(鞆町内の場合)を訪問し、アンケート結果の補完作業を行いました。

その結果、調査対象物件数は推定空き家が334 件、そのうち登記簿情報が取れたのが172 件で、返送されずに配布出来たのは130 件、アンケートが回収できたのが61 件となりました。

また、空き家の活用にあたっては、観光分野での利用に着目し、広島県及び福山市がWEB上で公表している統計データによる分析と合わせて平成27年から始まったDMO制度について調査を行い、活用できる方法がないか検討を行いました。


今後は中長期的に①鞆・暮らしと町並み研究会の会員拡大と②住民主導による町並み保存制度の成立、空き家の管理運営組織の立ち上げ、古民家の資源化に取り組んでいく予定としています。

自分たちで価値評価をするにあたっては、相対的に他の事例を知ることが大事であることから周辺地域で先進的な取り組みを行っている団体や行政の職員を招き講演を行ってもらう予定です。比較したときに、どこが勝っているか、今後どういう点を気を付けるべきかを知ることにより長期目標へ向けた新たな視点を作る計画です。また、今回調査を行ったDMO制度を活用して、協力体制の構築や地元民間団体が受け皿となり古民家を活用した観光事業を取り組むことも計画しています。

プロジェクト情報

Project

プログラム名(Program)
2017 国内助成 [しらべる助成]     
助成番号(Grant Number)
D17-LR-0062
題目(Project Title)
鞆・暮らしと町並みの研究 ―自分たちの手で後世につなげる町並み保存
代表者名(Representative)
松居 秀子  
代表者所属(Organization)
NPO法人鞆まちづくり工房
助成金額(Grant Amount)
1,000,000
リンク(Link)
活動地域(Area)