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助成対象詳細(Details)

   

2017 イニシアティブ助成      
助成番号
(Grant Number)
D17-PI-0001
題目
(Project Title)
アジアにおける社会イノベーション調査研究(第2年次)
Research on Social Innovation Eco-System in Asia (2nd year)
代表者名
(Representative)
伊藤 健
Ken ITO
代表者所属
(Organization)
慶応義塾大学
Keio University
助成金額
(Grant Amount)
 8,000,000
企画書・概要 (Abstract of Project Proposal)

本事業は、2016年の「アジア非営利セクター国際会議」以来のトヨタ財団によるアジアにおける非営利セクターのプラットフォーム構築の取り組みと連動し、アジア5カ国(日本・中国・韓国・タイ・シンガポール)における、社会課題を解決していくための社会イノベーションを生み出す生態系(エコシステム)について研究するものである。ソーシャルセクターに潜在的に貢献する可能性のあるプレイヤー(行政・企業・非営利組織)をターゲットとし、クロス・セクターの恊働を可能とする知見をとりまとめ、更には働きかけを行っていくことを目的とする。
本事業においては、①各国において行政・企業・非営利組織のそれぞれのセクターの間にどのような恊働があることが、加速度的な社会イノベーションの進展に寄与するか、②上記を踏まえた国・地域間の連携にはどのような可能性があるかについての検討を行う。加えて、各国におけるクロス・セクターでの社会イノベーション事例のケーススタディを行うことでこれらの理論的仮説を検証する。
この事業はまた、これまでアジアにおいて開催された国際会議によって形成された社会イノベーションのネットワークに対して、各国での先進的な事例や社会制度が生まれるプロセスについての知見と、アジアを俯瞰する視座を提供する。これにより、各国のセクターが個別にその部分最適を追求するのではなく、地域としての全体最適を見据えて、社会的インパクトを最大化する戦略立案に寄与する基礎調査となるとともに、現状では欧米中心の社会イノベーション研究においてアジア独自の貢献と対話を行うことを目的とする。
本事業の1年目では、2回の国際ワークショップを実施し、アジア5カ国における社会イノベーション・エコシステムについて検討を行った。成果物として各国の社会イノベーション・エコシステムの現状を取りまとめ、その特徴、課題と将来機会についての分析と、各国における政策や戦略についての提言をまとめた5カ国のカントリー・レポート(各国語版、英語版を作成)は2017年6月に発行予定である。
本事業の2年目にあたる2017年度には、1年目の報告書に基づき、さらに2回のワークショップを実施、各国の状況を比較分析し、地域間連携の提言をまとめた全体レポートを発行する事を想定する。また2回目のワークショップに合わせて、各国の研究者を招聘しての東京でのシンポジウムを開催、研究成果を発信するほか、社会イノベーションの促進に向けた具体的なセクター間・国際連携への働きかけを行う。

This research project is to research, analyze and identify the strategy for eco-system building for accelerated social innovation in 5 Asian countries (China Japan, Korea, Singapore and Thailand) as well as to identify potential opportunities for cross-sector approach as well as regional collaboration to accelerate social innovation.
This project targets cross sector organizations (government, corporate enterprises, and nonprofits) that would potentially contribute to the social sector through cross sector collaboration.
Toyota Foundation has been working on platform building for non-profit sectors in Asia and the international conference was held in January 2016 in Tokyo.  This initiative has a potential to be a trigger to build up a platform for foundations and non-profit intermediaries in Asia to discuss common agenda for potential collaboration.
This research will provide important information for further discussion for the network formed by the conference, which leads to the total optimization of the ecosystem in a regional basis, by sharing insights of leading organizations in the five countries.
In the first year of the project, two international workshops were held to discuss social innovation eco-system and 5 country reports on five countries which summarize the current status and analyze strategies and policy options will be published in June 2017.
In the second year of the project, the project plans to conduct two workshops additionally to conduct comparative study among five countries based on the country report in the 1st year.  The suggestions for cross-border collaboration among 5 countries will be published as a report. An international symposium will be held in the end of the project period to share research result as well as to promote cross-sector, cross-border collaboration to promote social innovation.

実施報告書・概要 (Summary of Final Report)

<D16-PI-0004 にて【ソウルと東京でのワークショップ】【欧州での社会イノベーション研究に対する調査と研究交流の実施】を実施>


【ソウルにおける第3回ワークショップ】

2017年9月には、ソウルでの第3回ワークショップが開催された。9月25日にソウルNPOセンターを会場にして実施されたワークショップには日本、韓国、シンガポール、タイ、ニュージーランド、英国の6か国から20名の参加によって終日に渡って実施され、第1年次の研究交流で得られた理論的な成果を踏まえ、各国においてソーシャル・セクターがプロトタイプに関わり、最終的に国内外での波及が制度変革や規範の形成をもたらした社会イノベーション事例についてのプレゼンテーションとディスカッションが実施された。

ワークショップでは、日本からは介護保険の事例(日本から台湾・韓国へ伝播)、タイからは社会起業家支援の事例(タイから日本へ伝播)、シンガポールからはBoPビジネスの形成支援のケース(シンガポールから東南アジア途上国で移転)について事例発表が行われ、各国の事例に共通するシステミック・チェンジの要素の抽出、また国際的な伝播のためにはどのような官民の取組が実施されたかについての検証が行われた。今後のアクションプランとして、本研究の成果を活用した実証実験として、実際に伝播の可能性がある社会イノベーションについて、国際的な拡散の取り組みを行うことについての提案がなされた。

【台湾・シンガポール・欧州での成果共有ミーティングの実施】

第2年次には、第1年次で実施したワークショップの成果をアジア各国の社会イノベーションに関わる関係者に対して共有し、得られた知見についてのフィードバックを得るとともに、こうした理論的枠組みを基にした社会イノベーションの実践の可能性について検討する複数のミーティングが実施された。

2017年10月には、EUが助成する社会イノベーションについての研究プロジェクトであるSI Driveが開催するベルギー・ブリュッセルでの国際会議において、本研究グループから代表の1名程度が参加、本事業の成果について研究グループの研究進捗について理解を深めるだけではなく、現地の研究者との小規模な研究ミーティングを実施した。また、2018年5月8日には、台湾・台中にて台湾行政院が開催した「Asia-Pacific Social Enterprise Summit」に合わせて、台湾の社会イノベーション関係者に対する研究成果の交流が実施され、6月6日には、シンガポールにおいて実施された社会的投資に関する地域最大規模の「AVPNコンファレンス」のセッションの中で本研究交流事業についてプレゼンテーションを行ったほか、翌日にシンガポール経営大学において、現地の社会イノベーション関係者を交えての研究成果の共有が実施された。

【東京における最終ワークショップと公開イベントの開催】

2018年12月には、東京において第4回のワークショップと、これまでの取組についての最終報告の場として、公開イベント「越境するシステミック・チェンジ」が12月6日に開催された。ワークショップにおいては、本事業に共同研究者として関わった8名の研究者の他、日本の財団、非営利組織、企業、シンクタンク等の30名が参加した。

12月6日に日本財団ビルにおいて実施された公開イベントには、100名以上の参加者が参加し、これまでに実施された事例研究についての共有、欧州との研究交流から得られた知見についての発表、またこうした国際的な社会イノベーションの伝播のために、社会的投資家、財団、行政、企業等の異なるステークホルダーが果たすべき役割について、各国の先端的事例の紹介と今後のあるべき取り組みについての提言が行われた。



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