外国ルーツかつ発達障害およびその周辺にある子どもの教育上の課題については、外国人であるがゆえのことばの習得などに起因するものなのか、発達課題に起因するものなのかについての診断の難しさから、その教育の在り方の研究促進が喫緊の課題となっている。本プロジェクトでは、調査活動とパイロット事業から、外国ルーツかつ発達障害およびその周辺にある子どもの奈良県における支援モデルの構築をめざす。
　調査活動として、実施組織がすでに把握している外国ルーツかつ発達障害およびその周辺にある子ども若干名に対して、教育的ニーズに関する調査ならびに年少者に特化した専門領域のスタッフによることばの指導と発達支援を行う。加えて、既存の外国人支援団体や個人の支援者を対象に、支援状況や子どもの実態に関する調査を行う。これらの調査をもとに、支援モデルのプロトタイプを構築する。
　パイロット事業として「コドモトコトバプログラム」と称し、支援対象の子どもに対してプロトタイプに基づくケーススタディを重ねる。支援対象の子どもを追加募集し、さらにデータを蓄積することで、プロトタイプの汎用性をより高めていく。